ホンの紹介

2018年3月22日

川久保 武子 

東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン

リリー・フランキー著 扶桑社 1,575円 

 本の表紙のカバーは、全体は白地で、その上下を細い金色でふち取り、赤い文字で「東京タワー」の書名の下に、オカンとボクと、時々オトンの副題があり、著者名リリー・フランキーと記され、京の字の中にタワーの絵がある。表紙は、朱色で、背表紙にだけ黒字で書名があり、扉表紙には、美しい文字で題名が書かれ、ページをめくる楽しさがせまってきた。本を手にして、こんなに表紙に心をひかれたのは、はじめてだ。
 著者は、一九六三年福岡うまれ、母親と二人で生活し、時々、父親と会うという普通ではない家族関係だが、多くの人々と出会って、皆に支えられて成長されたようだ。祖父母をはじめ、親族に可愛がられ、また、友人を大切にする母親の生き方の中で、バラバラになりそうな人々との絆を持ち続け、人間の信頼とやさしさの大切さを学ばれたようだ。
 命の重さ、前向きな生き方、感謝の気持ちの大切さを実感させてくれる私にとって貴重な一冊である。
 著者と、私の長男は同世代であり、私も、お母様と同じ頃子育てをした。そして、“生・老・病・死”について考える年代になり、これからの日々を身辺整理をしながら、お母様の一人の母親としての生き方を尊敬し、手本としたい。
 オカンが書き残された西行法師の和歌 “願わくは花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ“
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ナチスから逃れたユダヤ人少女の上海日記

ウルスラ・ベーコン著 和田まゆ子翻訳 祥伝社 1,995円 

 ウルスラ・ベーコンは、少女時代(一九三九年~四七年)をドイツから、ナチスのユダヤ人迫害を逃れて上海に渡り、厳しい難民生活を過し、そこで出会った多くの人々の交流や、出来事をこの本にまとめました。
 母親の忍耐強さと冷静さ。父親の明るい希望を捨てない、知恵にあふれる生活信条が伝わってきて、それが悲惨な難民生活を生きぬいた大きな力になったのだと思います。
 二〇〇一年九月十一日のニューヨークでテロ攻撃が起こり、世界の平和は崩壊しはじめました。アフガン、イラン戦争等で、多くの命が奪われ、難民が増加するばかりです。
 著者は、五十年の歳月が流れて、今、自分の体験した悲惨な難民生活を書き、多くの人に伝えることで、“平和”の大切さ、すばらしさを訴えているのです。「わたしの人生に感動と愛の贈り物を授けてくれたすべての人と、わたしをいつまでも支えてくれた特別な一人の友人に、感謝します。」と最初のページに謝辞が記されています。
 私は、七三歳で同世代を生きてきました。私にとって、戦争放棄の第九条をもつ日本の憲法は原点であり、宝です。著者の気持ちにも通じるものとして大切に守りたいです。
 いま、憲法・教基法に手を加える動きが急なだけに、原点を忘れることなく、再び過ちを繰り返さないためにも、私も、戦争体験を語りたいと考えています。
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夫婦の関係を見て子は育つ―親として、これだけは知っておきたいこと

信田さよ子著 梧桐書院 1,404円 

序章 親からの一方的な「贈与」が子を苦しめる
第一章 愛情という名の支配ほど怖いものはない
第二章 アダルト・チルドレン(AC)という希望
第三章 依存症の夫と共存の妻と、その脱出
第五章 夫婦の線を強く、親子の線を弱くする
第六章 「常識おばけ」から解放されよう
面白い本でした。

[蛙]

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虐待された子ども

子どもの虐待防止センター著 明石書店 

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ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか

杉山春著 小学館 

どちらも暗い本ですが、目を背けないで、まず知るところから歩みはじめたいものです。

[蛙]

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