Home / 通信バックナンバー / No.85(2017年冬) / 神戸は生きているのか?

神戸は生きているのか?

森池 豊武 

わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした ─茨木 のり子

 震災で神戸の街は崩れていった。あれから20年、街は復興し震災の痕跡はほぼ見当たらなくなった。しかし、神戸は、人々の生活は元どおりになったのか?震災復興住宅から退去を求められる人々が多数いるなど、問題は山積しているのではないか?
 神戸市は、「BE KOBE」をロゴマークとして、神戸市民であることを誇りに思う合言葉として発信している。しかし、今の神戸は誇りに足るものを持っているのだろうか?
 神戸市議会では、自民党神戸の市議会議員のほとんどが加担している政務活動費の不正支出が発覚し、主導していた大野一元議員は病死した。政務活動費を巡る違法行為(虚偽公文書作成・ 同行使、詐欺罪、公職選挙法違反等)は刑事告発され、神戸地検は3市議を詐欺罪で在宅起訴した。その後、3市議は、損害金を返還し、辞職した。また、最近では、今井絵理子参議院議員との不倫報道から橋本健元市議の政務活動費の不正が明らかとなり、辞任に追い込まれ刑事告発を受けている。総額5000万円とも6000万円ともいわれる公金横領がまかり通っている神戸市議会に自浄能力はない。議会に付与されている調査権限を駆使し、百条委員会を開催し、徹底的に議会の組織的腐敗を究明すべき義務が議会にはあった。しかし、いずれのケースでもそのような権限を行使せず、政務活動費の根本的な見直しも行わなかった。
 一方、神戸市では、184 億円にのぼる不正な会計操作が長年にわたって行われ、外郭団体や第三セクター等の財源不足を隠ぺいする不正な会計操作を繰り返していた。また、ポートアイランドの港島自治連合協議会に対して、1億5000万円に及ぶ不明朗な補助金が交付されていた問題が神戸新聞の調査報道で明らかとなった。長年にわたる、自治会との癒着構造にはメスをいれず、おざなりな調査で、神戸市の事務的なミスがあったと結論づけ、問題を隠ぺいしようとしている。この問題では、住民監査請求が行われ、その後、住民訴訟が提起されている。長田区のアニメストリート撤退問題等々、不明朗な行政運営が明るみになり、神戸市は、まさに炎上している。

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり
卑屈な町をのし歩いた

 神戸市や議会の惨状を目の当たりにした東灘の住民が立ち上がり、今の神戸市や議会を変えようと「ぎかい改革神戸」という団体を立ち上げた。今の神戸市の現状を知ってもらうために、1年間かけて20万枚以上のビラを、全戸に配布していった。暑い日も、寒い日も急な坂道を上り下りし、組織もお金もない中で、住民の理解を得る唯一の方法だと信じ、配り続けた。
 安倍政権の大義なき解散によって、10月22日の衆議院選挙に合わせて、神戸市では市長選と5名の不正な議員の辞職に伴う補欠選挙が、東灘区、中央区、垂水区、西区で行われた。東灘区では、「ぎかい改革神戸」から、正路和雄さんが立候補されました。選挙に必要である「地盤・看板・かばん」を一切持たずに戦いに臨みました。
 神戸市議会議員の給与は高すぎる。全国第2位で、平均2050万円以上の高額をもらいながら、年間勤務日数は53日、日給計算では30万円にもなる。69人も議員はいるが、ほとんど仕事らしい仕事はしていない。政務活動費3億1500万円の適正な支出はほとんど見られないなどの事実を愚直に訴え続けました。
 選挙結果は、神戸市の問題に指一本動かしていない落下傘候補がトップ当選し、正路さんは5685票を頂いたものの最下位で落選されました。自民党神戸や自由民主党神戸市会議員団という自民党系の議員の不祥事によって行わなければならなかった補欠選挙で、神戸市民は、また自民党議員を選ぶのか、それも4つの補欠選挙の選挙区で、自民党がトップ当選を果たしています。
 国政でも自民党・公明党に憲法改正の発議に必要な3分の2の議席、310議席を国民は与えてしまいました。
 この国は、そして神戸はどうなっていくのか?何のしがらみもない5685票は、神戸市を変えていくための貴重な基盤となって行き、成功はしなかったが真の野党共闘の礎は築かれて行くと信じている。

だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのようにね

スポンサーリンク