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TPC教師塾を始めることになりました

峯本 耕治 

 これまで何度かご紹介したことがありますが、私はTPC(教師・親・子どものための)教育サポートセンターというNPOの代表を務めています。TPC教育サポートセンターは、1999年に、教育関係者、弁護士、児童福祉関係者、大学教員等によって設立された学校教育のサポートシステムについて研究し、その実現を目的とする団体です。具体的には、①福祉的視点を入れたアセスメント・プランニングのスキルアップやケース会議の導入等による校内チーム体制作り、②教育と福祉等との効果的な機関連携体制作り、③専門職による学校サポートシステムとして、スクールソーシャルワーカー(SSW)と、④スクールロイヤー(SL)の導入等を活動目標としてきました。約20年にわたって月1回の定例会を地道に続けながら、学校教育に関わる様々なテーマでシンポジウムをしたり、SSW等の専門職の養成講座の開催などの取組を行ってました。
 この間、スクールソーシャルワーカー(SSW)については、2005年に大阪府教育委員会のSSW事業がスタートし、その3年後の2008年には文部科学省による全国的なSSW活用事業が始まりました。今では、SSWは、スクールカウンセラー(SC)と並んで、専門職による学校支援として、教育現場に不可欠な存在になっています。また、前号で御報告しましたように、スクールロイヤー(SL)についても、2013年に大阪府教育委員会においてスクールロイヤー事業がスタートし、2018年4月からは文部科学省によるスクールロイヤーの配置事業が始まっています。弁護士会でもスクールロイヤーの養成に向けての取組が始まるなど、今後、確実に広がりをもっていくと思われる状況となっています。
 このように、専門職による学校のサポート体制はそれなりに整備されてきており、その点では、TPCでやってきた活動は価値があったなと自己満足的に喜んでいるのですが、一方で、学校 現場の状況を見ると、なかなか厳しいものがあります。この20年の変化を見ても、子どもと子育てを取り巻く環境が大きく変化する中で、学校現場においても、暴力行為やいじめの増加、不登校の増加など、様々な愛着課題・発達課題を抱えた子ども、学校に居場所を見いだせない子どもが増加しています。学校教育の担い手である教員についても、学校に期待される役割が増大する中で、正規の教員数は、子ども人口の減少に伴って大きく減少、しかも、スキルが低くなりがちな若い教員が急増しています。中学校では過労死ラインを越える残業をしている教員数が6割を越えているという厳しい労働環境に置かれています。そして、近年の保護者対応の困難化は、教員のしんどさに拍車をかけています。
 だからこそ、SSWやSLの専門家によるサポートが必要となってきたとも言えるのですが、何と言っても、学校教育の主たる担い手は教員です。学校が子どもの居場所、成長発達の場所となるためには、教員が子どもとしっかりとつながって、子どもが抱える様々な問題や課題を見立て(アセスメント)、子どもを指導・支援し、その成長発達を保障していく必要があります。教師が子どもとつながれていない中で、SS W やSLなどの専門職がいくらサポートしても、 その効果は上がりません。
 そこで、TPCでは、学校サポートの原点に戻って、次年度から継続的に毎年、年6回〜7回のプログラムで、教員を対象として、アセスメント(子ども理解やケースの見立て)をベースとする生徒指導・支援、保護者対応、授業の持ち方等についての実践的なスキルアップを目的とする勉強会(教師塾)を継続的に開催したいと考えています。本年度も、12月、1月、3月の3回にわたりプレ講座を開催します。
 機会があれば、お知り合いの先生方にご案内いただければありがたいです。