門前追悼

高塚門扉の中から

 今年もまた、セミの鳴く夏が来て、7月6日が近付いたある朝の職員朝礼で、「最近校門前の花壇から、花を抜くいたずらが5件もあった。公共物を大切にするよう注意してください。」という生徒指導部の注意があった。私は一言いわなくてはと手を挙げ、あの花壇は単なる公共物ではないので、その事を生徒に説明する必要があるというようなことをいった。各担任がどういうふうに注意したのかは分からないが、現在あの日にいた職員は、技能職2名、教員3名の5名で、生徒は全部入れ替わっている。後からきたものに対するこの事件の説明は一切ないところで、花壇に対する思いが育まれるはずもない。
 当日1・2時間と試験をし、3時間目に体育館に集まって追悼式があった。教師の中にはおよそ追悼式に相応しくない服装のものもいたが、仕方のないことだろう。
 組合のほうも、全教は組合員は3名いるようだが、分会は作っていない。日教組のほうは6名で分会もあるが、この件では今年は何もしないとのことだった。私は個人的に本部大会で門前追悼への参加を呼び掛け、支部大会でビラを配り、門前にこられない人はどこででもいいから、30秒でもいいから、黙祷してほしいと呼び掛けた。国語表現の授業で文章を書いた生徒が、亡くなった女生徒に対する黙祷が少ない、と書いてあったのを読んで、私も同じ思いだったことから呼び掛けのビラを作ることにした。その生徒の了解を得て、全文使わせてもらった。「皆がもっともっと黙祷しないと、彼女は本当に死んでしまう」と書いてあった。(私は授業と関連して、どのクラスでも校門事件のことについては話している。マスコミのふり撒いた彼女のイメージを消す事と、彼女の死を無駄にしないで欲しいといった彼女のご両親の気持ちを伝えたいので。そしてどうする事が死を無駄にしないことになるのかを一人一人考えてほしいので。)
 当日、国語の女性の教員(定時制)がきてくださった。来年はもっと多くの人がきてくださるよう、常日頃から働き掛けていきたい。教員こそ、黙祷が足りないと私は思う。
 この日、PTAが何もしないのは不自然である。PTAにも積極的に呼び掛けていきたい。生徒会も主体的に企画すべきだ。そして先輩たちにも呼び掛けてほしい。
 来年に向けて、一人でも多くの人に黙祷していただけるよう、門の中で、一人でできることがあればしていこうと思っている。

高塚高校教員 高橋 智子

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