Home / ホンの紹介 / 『ひらり・ふわり…』

『ひらり・ふわり…』

西本有希著 アットワークス出版 2007年刊 1,404円 

<内容紹介>
一日一日が奇跡に近い綱渡りだからこそ、命が与えられている間は、その時々に大切なコトを、優先順位を間違えないよう注意しつつ、風のように「ひらり・ふわり……」と生きていきたい。

残された時間が少ない中で、難病・脊髄性筋萎縮症による全身を襲う激しい痛みに耐え、進学出願拒否、セクハラ被害裁判の闘いを支えてくれた人たち、そして未だ会えぬ多くの人たちに書きとどめたい、伝えたい感謝の気持ち。

日本弁護士連合会「国連人権促進保護小委員会の ラライナ・ラコトアリソア委員への情報提供文書」(2004年3月19日)に、西本有希さんが巻き込まれた事件についての記述がありますので引用させていただきます。
性暴力被害に対する日本の裁判所の裁判官の人権意識のレベルを知ることができます。

 筋ジストロフィーのために常時介護を要する状況にある女性に対し,医師が「20才になったら皆彼氏がいるのに寂しいやろ」などと言って,抗拒不能の状況にあることを利用してキスをする,乳房を揉む,膣内に指を入れるなどのわいせつ行為を4カ月間繰り返し,女性は自殺を図り,その後は過換気症候群のため入院した事案につき, 1999年10月6日,大阪地裁堺支部は500万円の慰謝料を認める判決を出した。 医師は,わいせつ行為自体を否認し,度々被害者宅へ行ったのは精神療法を行うためであったとし,彼女は病的虚言症であるとか,演技性人格障害であると主張していた。 控訴審においては,「女性の体は老人のようであった」(から性的魅力はなくわいせつ行為などする訳がない)との看護婦の陳述書を提出した。大阪高裁では,和解の席上で裁判官が「合意または合意の錯誤」(少なくとも,医師は彼女が嫌がっていないと誤解していた)ということも考えられるなどと,医師側が主張していないことを言って和解をするよう勧めた。2002年2月21日の大阪高裁判決は,医師がわいせつ行為を行った日数を34日ではなく,医師が被害者宅へ行ったことを認めている18日とし,女性に多少の誇張があるとして,慰謝料を300万円に減額した。しかし, 医師に脅された外,家族の介護なしには生活できない障害者であるため,入浴サービスが受けられなくなると家族への負担が増えるからと,事実を話すこともできず,明るく振る舞っていることに疲れ果て自殺を図り,その後は過換気症候群で入退院を繰り返しているという状況からは,慰謝料を減額する理由はない。
 高裁判決が,「被害女性も嫌がってはいないと医師が誤解しており悪気はなかった」として減額したのが本音であるとすれば,障害を持つ女性に対する差別である (いずれも判例未登載)。

スポンサーリンク

Check Also

『ことばと国家』

『ことばと国家』

田中克彦著 岩波書店出版 19 …